昨日は毎月1回 Zoom 開催している全国ピアノ教室オンライン情報交換会をやりました。

参加されているのはほとんどピアノ教室やリトミック教室の先生方なのですが、お一人だけ三味線の先生が混じっていらして、邦楽と西洋音楽と、全然違うジャンルの先生同士でいつもとても面白い刺激をし合っています。

昨日は口三味線というものが話題に上がりました。

あるピアノ教室の先生が、シニアの生徒さんでリズムが苦手な方にどうやったらうまく指導ができるか? という質問をされたんですね。

皆さんでいろんな知恵を出し合ったんですけれども、そんなアドバイスの中に「口で言えないリズムは手では弾けない」だから、まずは口でリズムの練習をする。

というアイデアがあったんですね。

フルーツとか アップル とかシチューとか、言葉にはリズムがありますからね。

そんな話から口三味線の話になってきたんですね。

私は口三味線というのは俗語のようなものだと勝手に思っていたのですけれども、三味線の世界の人たちも口三味線という言葉を使うらしいんです(と言うかこっちが出所なんでしょうけど)。

口三味線と言うとなんとなく、メロディーとかを口で歌うぐらいのものだと思っていたんですけれども、本物の「口三味線」はもっとちゃんとしているそうなんですよ。

どの弦の、どの位置を抑えて、どんなリズムで弾くか、というような情報まで口三味線は持っていると言うんですね。

例えば「チン・トン・シャン」という有名な口三味線があるらしいんですけれども、このチントンシャンもただの擬音ではなくて、これがもう楽譜の情報を表しているんだそうなんです。

わかる人ならこのチントンシャンと聞けば、このフレーズが演奏できちゃうんだそうなんですよ。

つまり言葉化された楽譜ですよね。

西洋音楽のような、目で見る記号化された楽譜ではなく、耳で聞く言葉化された楽譜、それが口三味線というもののようです。

へぇ~って感じですよね。

ちなみにこの口三味線みたいなものは、三味線だけでなく、小鼓や和太鼓や琴、能管、締太鼓など、他の邦楽の楽器にもあるんだそうです、

例えば小鼓なら

ツポ、ポン、ポン、ツホッホ、ポン

琴なら

テーントンシャン、シャシャコロリチー

↑という具合のようです。

素人が聞いても全然わかりませんが、これで演奏できちゃうみたいですよ。

こういうのを邦楽の世界では唱歌(しょうが)と呼ぶそうで、雅楽から派生してきたみたいです。

口三味線というのはこの唱歌の一部で、三味線における唱歌のことを口三味線ということのようですね。

ピアノ教室の先生にとっては、唱歌というと「文部科学省唱歌」という言葉の方が馴染みがあるかもしれませんが、「しょうが」と「しょうか」と読みも違い、全然別物みたいです。

いやー面白いですよね。

昨日はそんな新たな学びのあった全国ピアノ教室オンライン情報交換会でした。