日頃から日本全国のピアノ教室さんのホームページを作成して生徒集客を手伝っていると、「生徒さんが他のお教室から移ってくる」というケースがよくあります。

昨日、三重県のピアノ教室のN先生に集客コンサルを行った際も、この話題があがりました。

「発表会を重視する教室で、曲の練習ばかりで教材が全然進まない」

と、ピアノ経験者のお母さんが心配して、N先生の所に体験レッスンにいらしたんですね。

それでいざ当日蓋を開けてみたら、その子は楽譜が読めていないことが発覚したそうです。

どうやら前の先生が、発表会の曲を仕上げさせることに必死で、回りくどい譜読みをさせず、耳で覚えさせて弾かせていたようなんですね。

これは私は残念なことだと思うのですが、これをそうとは思わないピアノ講師さんや音楽教室の経営者がどうやらも少なくないらしいということは、もっと残念なことです。

「楽譜が読めなくたって音楽は楽しめる」

「楽譜が読めなくなってピアノは弾けるし、作曲すらできる」

そういう考えはありだと思います。

そういうミュージシャンだってたくさんいるでしょう。

ですがそういう考えで教室を運営するなら、それをしっかりと公言するべきだと私は思うんですよね。

「うちはこういう考えでやってますから、それでよければどうぞ」

ということを、教室への入会前にきちんと告げるべきだと私は思います。

もう、不動産屋さんの契約前の「重要事項説明」みたいに、法律で義務付けちゃってもいいぐらいなんじゃないかと笑

「当ピアノ教室に通っても楽譜が読めるようにはなりません」

ということは、これはもう、習う側にしたらスーパー重要事項ですからね。

昨日の三重県の N 先生のところにいらした生徒さんの場合は、ピアノ経験者であったお母さんですら、お子さんに譜読みの能力がついていないことに気づかなかったようです。

耳から入ると一見上達が早く見えますから、これはある意味怖い話ですよね。

ピアノを習う側は素人さんなんですから、知らずに喜んでしまうと気の毒です。

ただ講師さんのほうも、必ずしも皆さんが自分の意思でそうするわけでもないようですね。

以前に別のピアノ教室の先生のところに同じような子が来た時は

「こう指導するよう言われていますから」

みたいなことを講師の方が言っていたそうです。

もしかしたら、譜読みをすっ飛ばしてでも、発表会で良い演奏をさせたほうが、ピアノ講師としての評価が上がる、なんて事情もあるのかも分かりません。

この時もケースも、昨日の N 先生のケースも、同じ某社のピアノ個人レッスンでした。

もしかしたら組織レベルでそういう方針なのかもしれませんね。

この手のお話は以前からちょくちょくあちこちで耳にします。

そのピアノ教室に入った側がそれを分かって入ったのなら良いですが、もしそうでないのであれば、これは完全に事故でしょう。

世の中全体が変わっていくには時間がかかると思いますが、少なくとも私のお客さんのピアノ教室ではこうしたことは極力減らしていきたいと、常日頃から思っています。