
永井です。
今回はピアノ教室の先生向けに、感染症対策としてのピアノ鍵盤の除菌・消毒ということについて考えてみます。
[2020年8月18日追記]***************
【朗報】7月に新型コロナウイルスへの有効性が確認された界面活性剤を使用したピアノ鍵盤キークリーナー「キーバリアー」が発売されました。
詳細:新型コロナにも有効!ピアノ鍵盤除菌クリーナー「キーバリアー」
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私が日本全国のピアノ教室の生徒募集サポートを通して感じるのは、コロナ禍であっても、大半の生徒さんは対面レッスンに来てくれている、ということです。
「一対一なんだから大丈夫でしょう?」
ということなのでしょうね。
確かに3密という意味では、ピアノ個人レッスンは比較的リスクの低いほうなのかもしれません。
ただ1点、私の中で気がかりがあるので、今回はそのお話をしてみたいと思います。
「個人レッスンだから大丈夫」って本当?
「ピアノ個人レッスンは先生と生徒の一対一で、たくさんの人が集まるわけじゃないから、コロナウイルス感染の心配はそんなにないんじゃないの?」
ということかと思います。
一理あるとは思いますが、本当に大丈夫なのかな?とも、私は思うんですね。
どういうことかと言うと、
ピアノの鍵盤を経由した接触感染の懸念を拭いきれない
ということです。
おそらくですが、普通の鍵盤クリーナーでは新型コロナウイルスの除菌・消毒まではできないのではないでしょうか?
少なくともコロナに有効であることの確認実験は、多くのクリーナーではできていないのではないかと思います。
となるとですよ、もしピアノ個人レッスンに来る生徒さんの中に、既に新型コロナウイルスに感染している、自覚症状のないお子さんがいたとします(感染の検査ができてない以上十分にあり得ます)。
レッスンに来たら、まずうがい手洗いはしっかりしてもらうでしょう。
そしてレッスンが始まります。
たとえマスクはしていても、子供ですから、レッスン中に目や鼻をこすることだってあるでしょう。
その手でピアノの鍵盤を30分、45分と弾くわけです。
その鍵盤をレッスン後に普通の鍵盤クリーナーで拭いて「これで大丈夫♪」と言えるのでしょうか?
もしその鍵盤にコロナウイルスが残ったまま、次のピアノ生徒さんが来たとします。
同じようにうがい手洗いをし、ピアノ個人レッスンが始まって鍵盤を触り、目や鼻をこする。
そうしてコロナウイルスに感染してお家に帰っていく。
↑こんなことが起こり得るんじゃないかと私は思うんですけど、あなたはどう思いますか?
こうして、1人ひとり、レッスンに来るたびに順ぐりに感染して各家庭に拡散していくというシナリオは、私の考えすぎでしょうか?
もしこれが起きるとしたら、これって実質的にクラスター感染と同じなんじゃないですかね。
ピアノ鍵盤を媒体とした時差式クラスター感染とでも言いましょうか。
クルーズ船のダイヤモンドプリンセス号では、飛沫感染だけでなく、船内の廊下の手すりや食堂のテーブルからの接触感染も懸念されたから、みんな客室に隔離されていたんですよね?
あれと同じことが起こり得るんじゃないかと、私は心配なわけです。
これを機にピアノのお手入れにも除菌・消毒という危機管理の意識が高まることを期待したい
ピアノ生徒さんや保護者さんが、こんな時だからこそ音楽に癒しや楽しみを求めて、「大丈夫」と思って来てくれるのは、ありがたいことですよね。
そうして安心して来てくれる以上、ピアノ教室側はその信頼に全力で応えるべきでしょう。
ピアノの鍵盤をアルコールで拭くわけにはいきません(※1)が、ピアノの鍵盤クリーナーの中には、除菌剤入りの鍵盤用クリーナーもあるようです(※2)。
※1. 詳細はヤマハのQ&Aページをご覧ください⇒こちら
※2. 鍵盤用クリーナー「キークリン(R)」¥560/教育楽器販売株式会社(ホームページはこちら)
実際問題としては、現時点でできることは残念ながら限られているかもしれません。
この事態の最中、「ピアノ 除菌」で検索しても、1位と2位(2020年3月4日12:30時点のランキングです)に出てくる国内2大メーカーさんのページで、なんらの解決策も代替案も示されていないのは、あまりに残念なことです。
※追記:本記事公開の2時間半後に再び「ピアノ 除菌」で検索したら、ヤマハさんは次のページ↓を公開されていました。うがい・手洗い・マスクをしましょう、とのことです ^ ^
【ピアノ】ウイルス対策のため、鍵盤をアルコール消毒できますか?
[2020年8月18日追記]***************
本記事冒頭にも記載しましたが、その後7月に新型コロナウイルスへの有効性が確認された界面活性剤を使用したピアノ鍵盤キークリーナー「キーバリアー」が発売されました。
詳細:新型コロナにも有効!ピアノ鍵盤除菌クリーナー「キーバリアー」
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でも今回の新型コロナに限らず、インフルエンザだって毎年毎年流行っているわけですから、これを機に、ピアノのお手入れにも「鍵盤の除菌・消毒」という危機管理の意識が高まることを期待したいと思います。
今後もこうしたウイルス感染症や新型インフルエンザが、また流行ることだってあるかもしれませんからね。
こんな時こそ、みんなが安心してピアノを楽しんで、音楽がその使命を発揮できるよう、この業界にも感染病予防のための手段が必要だと思いました。
以上、今回は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に当たって、ピアノの鍵盤の除菌・消毒の必要性というものについて考えてみました。
すぐに出来ること、出来ないことはあるかもしれませんが、危機意識として頭に置いておくだけでも大事かと思い、今回このような情報を発信することにしました。
今回のコロナウイルスが1日も早く収束してくれることを願いつつ、できることは確実にやっていきましょう!
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