先週、西日本の某都市で、某音楽教室の講師をされてきたというK先生からLINEメッセージをいただき、今日、無料の電話相談を受けさせていただきました。

K先生これまでのお勤め先は、奇しくも、今週ホームページが完成した茨城のY先生(※)と同じ系列の、某音楽教室です。
茨城の過疎地で新規開業!Y先生のピアノ教室ホームページが完成!

K先生はこれまでずっと、その某音楽教室に一生懸命尽くしてきたのだけれども、最近色々と「残念なこと(お察しください)」があり、もうこの教室はやめてしまって、自宅でピアノ教室を開いて独立しようかと考えて、私のところにご相談くださいました。

いわゆる「見切りをつける」というやつですね。

相手を見限る権利というのは、雇っている側だけでなく、雇われている側にだってあります。

今回のK先生はそれにあたるご様子でした。

「ここはもう、出よう」という感じですね。

茨城のY先生とは、やめ方というか、独立の経緯はちょっと違いますけど、「見切りをつける」という意味では、同じといえば同じかもしれません。

こうした、某音楽教室にこのまま残るか、雇われ講師から独立しようかというご相談は、コロナ禍以降とても増えています。

ただ、多くの方は「どうしようか、どうしようか」と悩んでいて、なかなか決断に至る、実行にまで至るのは、ご相談の数ほど多くはないようには感じてますけどね。

まあ、それは怖いでしょう。

中には

「まて、早まるな」

というような感じで

「残った者の利益(分かる人にだけ分かれば良い表現であえて書いてます)」を待つベテラン講師さんもいらしたりと、意見は様々なようです。

私も、もうここ何年か、こうした先生方のご相談を、ずっーと、何人も聞いてきたんですけど、最近になってようやく気づいたことが1つあるんですよ。

それは何かというと

「ひょっとして、この人たち(某音楽教室の講師さん)は、その音楽教室に『就職』でもしているような感覚でいるのではないか?その音楽教室の『社員』のような感覚でいるのではないか?」

ということです。

それは講師の資格試験や採用試験もあるでしょうから、そういったものに受かって、雇ってもらえた!採用してもらえた!ということに対して、「就職している」のに近い感覚を抱いているのではないか?ということなんですよ。

でも実際は、彼らはたぶん「雇用」されているのではありません。

1人の個人事業主として、その音楽教室と業務委託契約をしている、「レッスンの外注」を受けている、というのが、現実の契約なんだと思います。

当然社会保障なんてありませんし、毎月安定した給与が保障されるわけでもありません。

それは「生きていけるかどうかは自分の責任」という事を意味します。

なので私は今までずっと、彼らは「自分は個人事業主だ」「独立した1人の事業主だ」という意識でいるのだろう、と思って来たんですね。

そう思ってきたのが、なぜ最近になって変わりかけているかというと、私は最近彼らの、組織への所属意識の中に、サラリーマンに似たようなものを感じるようになってきたからです。

良く言えば、レッスンを受注する個人事業主でありながら、社員の会社に対する忠誠心のようなものを持って働いていて、「そこから出るなんてとんでもない」というような意識を持った方が、少なくないんですよ。

逆に言うと、その音楽教室から独立して自分の教室を開くということに対して、脱サラして独立起業するのに近いイメージ、それに近いハードルの高さや恐怖心を感じていて、その音楽教室に所属し続けることには、寄らば大樹的な、妙な安心感(何の保証もないのに)を抱いている方が、結構いらっしゃる気がするんです。

もちろん人によるでしょうけど、「悩むだけ悩んで動けない雇われ音楽講師さん」と「会社に不満はあるけど独立起業しようとまではしないサラリーマン」の姿が、最近、私には妙にダブって見えるんです。

今回のK先生の場合は、それでも某音楽教室を辞めて、自分でやっていこう、と思わせるだけの出来事があり、思い切って私にご相談くださった様でした。

旦那さんも、今の音楽教室をやめて、自宅ピアノ教室で独立することを、理解してくださっているそうですよ。

私がお話を伺っても、K先生はこれまでの音楽教室での仕事を通して、かなり色々な経験と学びを積み重ねて来られたそうなので、これから個人の教室で独立しても全く問題ないだろう思います。

ぜひこれから、茨城のY先生のように「自分の城」を持って、ご自分の理想とする、ストレスフリーなピアノ教室を作っていっていただきたいと思います。

「第2の講師人生に乾杯!」なんて日が来ると良いですね😊

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