私には、スガナミ楽器という東京のヤマハ特約店のスタッフとして5年ほど勤務していた経験がある。

今の仕事、ピアノ教室のホームページ製作と集客サポートで独立する前の話である。

私はそこで、音楽教室の運営や生徒募集について、色んな経験をし、学ばせてもらった。

そんな数ある経験のうちの1つが、一眼レフというものに初めて触れたことだ。

当時私はホームページ担当として、発表会や野外イベント(デモ演)の際に現場スタッフも兼ねて同行し、様子を写真に撮って会社のホームページやブログにアップする仕事をしていた。
これも生徒を集めるためには大切な仕事だった。

あれは確か、2013年の夏だったと思う。

私は当時まだ、経堂のセンター(スガナミミュージックサロン経堂)で受付とホームページ担当を兼任していた。

経堂では毎年夏に、経堂祭りというイベントが催される。
よくある地域の商店街の夏祭りだ。

ご多分に漏れず、経堂祭りでも駅前のロータリーにステージが設置され、地域の人たちが入れ替わり立ち代わり、様々なステージを披露していた。

スガナミ楽器の経堂センターとしても、講師に客寄せでライブ演奏をしてもらい(たしかトロンボーンとエレキベースのデュオだった気がする)、集まった観客にスタッフが生徒募集チラシを配りまくるという宣伝をしていたのである。

私はホームページ担当でもあったので、その様子をブログに載せるべく、デジカメを持ってその様子をあちこち撮っていた。

そう、当時はイベントの撮影にデジカメを使っていたのだ。
スマホの普及に押されてか、1つ5000円くらいで買えるほど当時は安くなっていた(今はもう買う人もいないだろうけど)。

そんな中、経堂祭りの当日に、受付アルバイトのK君が私物の一眼レフカメラを持ってきたのだ。

「お?なんかいいカメラじゃん?」

最初はそのくらいしか思わなかった。

そうしてその日、彼も講師演奏のステージ撮影を手伝ってくれたのだ。

イベントが一通り終わり、宣伝に使った道具類も片付いた夕方である。

彼が撮った写真を見せてもらった受付スタッフ一同に激震が走った。

つづく