昨日は私が毎月Zoom開催している「全国ピアノ教室オンライン情報交換会」の日でした。

昨日も日本中のピアノ教室の先生方で集まって、いろいろなお悩み相談をしていたのですが、特に盛り上がった話題の1つが

「ピアノ生徒が教室に来る時間をどう伝えるか。前の生徒のレッスン中に次の生徒が来た場合、次の生徒はどこでどう待機してもらうか」

という問題についてです。

この情報交換会は発足してもう4年以上経ちますが、この問題についてはこれまでにも何度か話題に上がってきました。

これの何が問題かという点については、それぞれの教室さんの事情によって色々とあるようですが、ざっと挙げると例えば次のような感じのようです。

【前の生徒はいないけど早く来すぎる場合】
・先生がレッスンの準備をする前に来てしまう
・防音室にいる先生が生徒が来たことに気づかない危険がある
・先生が外から帰る前に生徒が来てしまう危険がある

【前の生徒のレッスン時間とかぶるように早く来る場合】
・前の生徒が仕上がっていない曲の演奏を聞かれるのを嫌がる
・前の生徒が他者がレッスン室にいること自体を嫌がる
・レッスン室や教室が狭くて次の生徒の待機場所がない
・レッスンをしている先生が生徒が来たこと(チャイムなど)に気づかない危険がある

なかなか難しいですよね。

先生側の都合としてはなるべくレッスン時間の開始ジャストぐらいに来てくれるのが理想なんだろうとは思います。

じゃあ子供の生徒さんはそんなに時間ぴったりに来られるのか?というと、実際のところそれもそう簡単ではないでしょう。

「遅れないようにしなきゃ」と思ったら少し早めに到着しようとするのが普通ですよね。

例えば歯医者さんにしたって、予約時間ギリギリに行くのは一般的にはあまりよろしいことではなくて、少し早めに行って待合スペースで待つと思います。

個人のお宅でやっているピアノ教室の場合は、こうした待合スペースがいつも都合よくあるわけではないから問題なんですよね。

でもこれは教室側の都合によって発生しているものであって、基本的には、早く来る生徒さんに非はないと私は思うんですよ。

だからこれは本質的にはコミュニケーションの問題かなと私は思いました。

もし待合スペースがない歯医者さんがあって、予約時間ぴったりに来て欲しいのであれば、治療の予約をする時に言って欲しいですよね。

「うちは狭くて待合スペースがないので、すみませんが、なるべく予約時間ぴったりか、ちょっと前ぐらいに来ていただくようお願いします」

↑こんなふうにお店の都合を、お店の側がお客さんに対して、事前にきちんと説明して「ご理解」と「ご協力」をお願いする、というのが筋なのかなと私は聞いてて思いました。

ピアノ教室であれば、入会前に体験レッスンに来て教室の説明をする時に、会則の一環として「うちはこういうルールでやらせてもらってます。これでよければご入会ください」と説明すべきでしょう。

そうして、ご理解とご協力に同意してくれる人に入会してもらって「そんなの無理です、めんどくさいです」という方はよそに行っていただく、というのがまず基本なんじゃないでしょうかね。

あと、レッスン室の外で待ってもらうのではなく、レッスン室の中で前の生徒さんのレッスンを聞きながら待ってもらう、というスタイルのピアノ教室さんも少なからずいらっしゃるようです。

これについては「それが生徒の教育上プラスになるから」ということで、積極的に捉えている先生も少なくないようです。

これも一理ありますよね。

ピアノの学習ということにおいても他の生徒さんの様子を少しでも見られるというのは、刺激になったり勉強になることも多いだろうと思います。

私は中学の時剣道部でしたが、剣道には「見取り稽古」という言葉があって、「見て(聞いて)学ぶ」ということもれっきとした稽古の一環でした。

ピアノの学習という意味だけでなく、社会性の勉強になるという先生もいらっしゃいましたよ。

他の生徒さんがレッスンを受けてるんですからね、当然いろいろと配慮しなければいけないことがありますよね。

そういう他者への配慮ということを子供に学ばせる良い機会であるということです。

これも一理あると思います。

こんな風に、前の生徒さんのレッスンの最後の方を、次の生徒さんが同室して見学することにはそれなりに良い効果もあるようですね。

ただ一方で「自分のレッスンを人に見られたくない」と思う人がいるのも全然不思議じゃないですよね。

他ならぬ先生自身はどうでしょうか?

まだ仕上がっていない自分の演奏を人に聞かれたり、先生に指摘されるところを人に見られるのはどうでしょうか?

「正直、嫌だ」という人も少なくないんじゃないでしょうかね、どうでしょうか。

なのでまぁ、こういう話は特定の正解があるものではないので、昨日もある先生が言ってましたが、こういうところがその先生の「指導方針」「教育方針」というもの(のひとつ)だと思うんですよね。

そのピアノ教室の先生が何を良しとする人なのか?

それこそがその教室や先生の特徴や個性の根っこの部分だと思うんです。

子供のピアノ教室を探す保護者さんは、先生のそういう考え方や価値観の部分を見て、自分の子供を預けるか預けないかを判断するんだと思います。

だからこういうことは「誰それさんにこう言われたから」とか「他の教室はこうだから」とか、外部に答えを求めるものではなくて「うちはこうする」というのをそこの先生が決めて、胸を張ってビシッと提示すればいいんですよ。

それがいいと思う人は来てもらえばいいし、嫌だと思う人は来なければいい、ただそれだけのことだと思うんですね。

昨日の「全国ピアノ教室オンライン情報交換会」はそんな興味深い議論がなされた楽しい回でした。

そして私もホームページ制作会社として、Web 集客コンサルタントとしてお客さんのピアノ教室作りに貢献できる大事なポイントだなとも思った次第です。

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