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永井です。
今回は私が普段、お客さんのピアノ講師さんのブログ添削でいつも口酸っぱく言っているアドバイスをご紹介しましょう😊
何回でも繰り返し確認したい、いつもいつも頭に置いておくべき大事なことなので、ブログに慣れている方にも、慣れていない方にも参考になる内容かと思います👍
【問題】「大名おろし」ってなーんだ?
さて、さっそく突然ですが
「大名おろし」
と言われて、何のことかあなたは分かりますか?
はて? もみじおろし(※)みたいな大根おろしの一種でしょうか?
※もみじおろし:唐辛子とともにすりおろして紅く染めた大根おろしのこと。
大根おろしの仲間だと思った方はハズレです!
「大名おろし」いうのは、お魚を3枚におろす時のさばき方の1つです。
イワシとかサンマとか、小さい魚や細長い魚をおろす時に使うことがあります。
「魚をさばいたりなんかしないから、そんな言葉知らないよ!」
「そんな言葉知らなくても、生きていくのに1ミリも困ってませんけど?」
そんな方も多いかもしれませんね。
普段、テレビとか日常会話ではまず出てこない言葉なので、知らないほうが普通なんじゃないでしょうか。
なので もし私がお料理チャンネルの YouTuber だったとして
「今日のイワシは大名でいっちゃいます♪」
なんて突然言おうものなら、もう意味不明ですよね。
一体何を言ってるの?
「大名でいっちゃう」って何よ!?
ってなっちゃうんじゃないでしょうか。
ソレは何ぞ?
もう薄々感づいている人もいるかと思いますが、これって他人ごとだと思いますか?
あなたも普段、これに近いことやっちゃってませんか?ということなんですよ。
魚をさばく人の人口と、ピアノ経験者の人口のどちらが多いかは知りませんが、世の中の人口比率で言ったら、どちらもそう多くはないんじゃないでしょうか(ピアノの方がちょっと多いかな?どうかな?)。
なのでピアノ教室というのは一般の方から見たら、「大名おろし」に引けを取らない専門用語のオンパレードなんですね。
例えば「チェルニー」。
読者:
ん?チェルニーって何だ?
↓チェルシーなら知ってるよ!
飴ちゃんのことなのかな?
ん、チェルニー30番だって?
そんなにあるの!?
なんだか鉄人28号みたいになってきたぞ。
チェルニー、チェルニーって、何なのよ!?
↑みたいな感じですね。
(ちなみに明治チェルシーは今年の春に53年の歴史に幕を閉じ販売終了しました)
もし話の流れからチェルニーが作曲家の名前であることがわかったとしても、「チェルニー30番」なる言葉が曲集をさしているなんて誰が想像できましょうか?
「30番目の何よ?」っていうね。
例えば「シューマン」。
これね、もし知らずに文字だけ見て、肉マンと同じイントネーションで読んじゃったらどうでしょう?
肉マン、ピザマン、シューマン
↑もう食べ物の名前にしか聞こえません。
きっと何か包む系の食べ物に違いありません。
例えば「ゲネ」。
もはや何のことだかさっぱりで、想像もつきません。
ゲネプロと書いても、まぁ分からないでしょうね。
「ピアノ」って何?
そして極めつきは「ピアノ」。
「いやいや、ピアノはさすがに誰でもわかるでしょ」
って思いますか?
さぁ~て、それはどうでしょうね。
ピアノの先生であるあなたは、「ピアノ」とはグランドピアノとアップライトピアノだけを指す言葉だと思っていませんか?
普段何気なく、普通に「ピアノ」という時、それはグランドピアノかアップライトピアノだけを指していませんか?
そして「電子ピアノはピアノではない」と思っていませんか?
それが当たり前だと思っていませんか?
でもね、私のこれまでの経験上、「電子ピアノはピアノではない」なんて思っているのはピアノ弾きさんぐらいなんですよ。
もし街角調査とかでその辺の人を捕まえて、電子ピアノの写真を見せながら「これは何ですか?」って聞いたら、おそらくほとんどの人は「ピアノ」と答えるんじゃないでしょうか。
中には「電子ピアノ」とか「キーボード」とか、別の単語を言うかもしれません。
でもそういう人にも「これはピアノじゃないんですよ」なんて言ったら「え、違うの?」って、多くの人が驚くと思いますよ。
つまり「電子ピアノ」や「キーボード」と「ピアノ」の区別がほとんどないんですね。
「キーボードはピアノの一種」であって「キーボードはピアノではない」とは思ってないんです。
そんなことを街角で伝えたら「え?キーボードってピアノじゃないの!?」って多くの人が驚くと思いますよ。
これ本当に、誇張じゃないですからね。
私が今まで意識して色々と見聞きしてきた感じだと、どうやら多くの一般の方にとって「ピアノ」とは「白黒の鍵盤が並んでるやつ」くらいの認識だと思われます(もちろん個人差はありましょうけど)。
だからもう、鍵盤を押して犬の鳴き声がしても猫の鳴き声がしても「(おもちゃの)ピアノ」って言いますよね。
当然、32鍵とか44鍵とか61鍵とかの小さなキーボードもなんかも
「コンパクトなピアノ」とか
「鍵盤が光るピアノ」とか
「初心者用のピアノ(うちの子はこれで十分でしょ)」
みたいな認識なんですね。
鍵盤数の違いは「大きいピアノ」とか「小さいピアノ」ぐらいにしか思っていなくて、どちらも「ピアノ」という認識でいるわけです。
大きい小さいの違いで見れば、世の中のあらゆるものには「子供用のサイズ」というものがありますよね。
机でも椅子でも自転車でも、世の中の子供が使うものはほとんどが小さくできているものです。
ところが「ピアノは幼児にも大人と同じサイズのものを与えてください」と、先生の側は当たり前に思っているわけですよ。
そんな発想は「出てこないのが普通」なんじゃないでしょうか。
「幼児に大人サイズを与える」なんてことは普通は考えないと思うんですよね。
そういう「普通」の視点で考えている一般の方からすると、88鍵(どう見ても使わない)もある「最大サイズ」で台(足)とペダルが固定で付いている大人サイズの電子ピアノなんてのは、十分に「ちゃんとしたピアノ」だと思っている可能性が高いわけです。
まさか先生はそれをピアノとすら思っていない だなんて、きっと夢にも思わないんじゃないでしょうかね。
衝撃の本音ですよ。
ではそういう人たちからグランドピアノはどう見えているんでしょうか?
おそらく感覚的には、普段軽自動車に乗ってる人にとってのベンツとか、ポルシェみたいに見えているかもしれませんね。
「私は軽で十分」と思っている人にとってポルシェは、おそらく自分事の対象とは見ず、「自分とは違う世界の人たちが持つもの」みたいに見てるんじゃないでしょうか。
ましてやそれを幼児のおちびちゃんに与えようだなんて「いやいやいや!笑」っていう話かもしれないわけです。
要するに、ピアノの先生が普通に「ピアノ」という時のピアノと、一般の方が普通に「ピアノ」という時のピアノには、それだけの認識のギャップがある、同じ言葉が別のものを指している可能性があるということですね。
これは何が正しいとか、良いとか悪いとかとは別に、「それだけ感覚が違う」ということをプロである先生の側が分かった上で、理解してあげた上で、日頃から生徒さんや保護者さんに接したり、ブログを書いていくことが大事なんじゃないでしょうか、ということです。
他にも謎のピアノ用語いろいろ
こんな風に、ピアノの先生にとって当たり前のこと、普通だと思っていることが、音楽をやってこなかった一般の方にとっては全然当たり前じゃないということは、他にもい~っぱいあります。
他にも例えば
暗譜
音価
楽典
ソルフェ
アウフタクト
ラフマニノフ
スタインウェイ
↑この辺なんてもう「何のこっちゃ?」ですからね。
いわゆる専門用語です。
ピアノの先生だけではなくて、一般にも専門家というのは、いつもその世界でいつも使っている用語をついつい使いがちなものです。
これを一般の方がちんぷんかんぷんにならないように伝えるには、日頃から常に、かなり意識している必要があります。
そもそも先生にとっては当たり前すぎて「何が分からないかが分からない問題」があって、自分で気づくのって実際はなかなか難しいんですよね。
なので対面で話す時も、ブログに書く時も
「この言葉知ってるかな?わかるかな?」
「こういう感覚でいるかな?全然違う認識でいないかな?」
そういうことをいつもいつも気をつけましょう。
そうした中で
「そうか、これが分からないのか」
「うわっ、これが通じないのか」
という発見を1つ1つ拾って、積み重ねていくことが大事かと思います。
こういうのはうっかりするとすぐ忘れちゃいますからね。
私も今回のような話はこれまでに何度もブログ や YouTube でしてきています。
もう毎年のようにしているし、たぶん来年もします。
たまに言わないとみんな忘れちゃうからですね。
ということで、皆さん気をつけましょう。
私も気をつけます。
おしまい😊
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