ついにこの日がきた。

アジの王様「シマアジ」のご登場である。

高級魚として名高いこのシマアジパイセンを、ついにお捌きする日がきたのである!

前から一度やってみたいとは思っていたのだが、何せ養殖でも1匹3000円くらいする御シマアジ様である。

庶民がおいそれと手を出せるお方ではなかろう。

このシマアジパイセン、世田谷のスーパーではたまぁ~に見かける程度だったのだが、実は厚木に移住してからは、行きつけのスーパー「ロピア厚木店」でちょいちょい見かけていたのだ。

その度に指をくわえて見ていたのだが、先週末、ついに私は犯行に及ぶことにした。

2900円(+税)である(もちろん養殖)。

魚1匹に3000円。

奮発したものだ。

いつもなら休日のお楽しみで、ビールを呑み呑み捌くところだが、今回はさすがにシラフでお捌きさせて頂くにした。

相棒は、先日真鯛をさばいた時(※1)と同様、今回も、先日ダイソーのシールキャンペーンで400円でゲットしたシェフナイフ(※2)と、大学を卒業した時にニトリで買った歴戦の友の三徳包丁である。

※1:ブランド・ロイヤルティ・ジャパンのシェフナイフで真鯛を一匹おろしてみた!

※2:ダイソーのシールを集めてRoyalVKBのシェフナイフをGET!! その切れ味を試してみた

いざ、尋常に勝負!

まずはいつも通り、YouTubeを開いてきまぐれクック金子さんの動画でシマアジの捌き方をおさらいだ(何度か見て勉強はしてた)。

万全を期して、他の方の動画もチェックしておく。

捌き方自体は至って普通の3枚おろしだ↓

①ウロコをとる
②ゼイゴを落とす
③頭を落とす
④腹を割って内臓をとる
⑤血合いに刃を入れて洗う
⑥3枚におろす
⑦中骨と腹骨をとる
⑧皮を引く
⑨いただきます!

いざ、尋常に!

①ウロコをとる

まずは包丁の刃でウロコとりだ。

本当はウロコが飛び散りにくくなるよう、シンクで水をかけながらやりたいが、包丁が入るスペースがないので、普通にシンク横の作業スペース(なんていうの?)でやる。

背びれ、腹びれの周りも取り残しのないよう、丁寧にやる。

しかし、やっぱり飛び散るなー、、、

魚のウロコってさ、なんかフローリングに張り付くよね。

そんで少し放置すると簡単にはとれないの。

これ何とかなんないのかなぁもー。

②ゼイゴを落とす

ウロコがとれたら、次はゼイゴをすき引きで落としていく。

魚体がでかいからやりやすい。

と思いきや、赤い身が出てしまったので、深すぎたのかもしれない。

真アジを巨大化したイメージでいたのだが、実際はもっとヤワだったみたいだ。

意外と刃を上目に、思ったより薄いイメージで攻めたほうが良かったのかもしれない。

まぁいいだろう。

③頭を落とす

次は頭を落としていく。

胸びれと腹びれの横を通るラインに刃を入れ、カマごと、なるべく身を残すよう、そして苦玉(胆のう)を切らないよう、刃を頭のほうへ寝かせるように切っていく。

背骨の関節を探すのに若干手間取ったが、なんとかいけた。

④腹を割って内臓をとる

次はいよいよお腹のオープンタイムである。

腹を切って内臓を取り出していく。

はい出ました。
さすがですシマアジパイセン。

内蔵が脂肪に覆われてぎっちぎち。
めっちゃメタボさんだ。

この時期は旬の時期ということもあるのだろうか、さすがの脂の乗りである。

⑤血合いに刃を入れて洗う

次は血合いに包丁で傷をつけて、ウロコと共にキレイに洗う。

何も問題はなし。

⑥3枚におろす

お次もいつも通りの3枚おろしだ。

腹から背骨へ、背から背骨へ切っていく。

このサイズだけあって、背骨が若干盛り上がっているので、背側からの最後は刃を少し上げて中骨に到達させる。

腹骨と背骨のつなぎ部分がやや固めなので、背側から少し力をいれて先に切り離しておいた。

あとは尻尾のほうから刃を入れてシュッと切り離して半身が完成だ。

だが一度に3枚におろしても1人では食べきれないので、なるべく空気に触れないよう、もう半身は背骨から外さず、キッチンペーパーとラップで巻いて冷蔵庫で寝かしておくことにする(どうせ夜にまた食べるんだけどね)。

これもきまぐれクック金子さんの動画で学んだ知恵である。

⑦中骨と腹骨をとる

次は中骨を切って落とす。
これも簡単だ。

お次は腹骨。

シマアジの腹骨は若干クセがあって、先のほうがやや外側を向くように生えて(?)いる。

なので先のほうは腹骨の内側に、脂の乗った腹身が少しついてしまってもったいないのだが、後であら汁でいただくので思い切って切り落としていく。

これで腹骨の除去も完了だ。

⑧皮を引く

さあ、最後の強敵、皮引きである!

シマアジの銀々を残せるか!?

背の身は特に、シマアジ独特の黄色っぽいやつも残したいところだ。

いざ、尋常に勝負である。

まずは腹から。

ハイ、すぐに皮が切れちゃいました。

皮うっすぅー、、、

そこから少し身を削って再トライ。

後半はなんとか、6割くらい銀色のヤツを残せた。

まぁ、初めてなんだし良しとするか。

で、背の皮である。

コイツはぁー、、、

腹より全然難しかったぁ~、、、

黄色どころか、銀色も全く残せなかった。

残そうとすると切れるし、切れないようにすると残らない。

まっっったくポイントが分かりませんでしたよ。

完敗である。

皮引きは本当に難しい。

いつもスーパーのトレーに乗ってるのなんて、当たり前のように銀色付きだが、プロの精度というのはやはりスゴイものだと思う。

で、シマアジと言えば脂である。

腹と背の皮を引いたあとの包丁を見てみたら、もう脂でギットギトだった。

もうね、サラダ油か何かをハケで塗ったの?ってぐらい、波打つようにべっとりテカテカでしたよ。

これが3000円の実力か、、、と。

お味が楽しみである。

⑨いただきます!

さぁさぁ、あとは身を切ってお皿に盛る。

小皿に醤油とわさびをセットしたら、銀色のヤツをぷしゅっ。

いただきます!

あぁ~これこれ、このうま味。

まごうことなき御シマアジ様である。

脂もヤッバ。

一発で醤油に脂が浮きましたよ。

これを背と腹、半身分独り占めなのである。

なんという贅沢か。

銀色もはかどるはかどる。

兜割り成功!アラもしっかりごちそうさま

アラももちろん無駄にしない。

前回、真鯛を捌いた時に初めて挑戦した兜割りは完敗であった。

全然ど真ん中に刃が決まらず、結局ノコギリで15分格闘して力技でねじ伏せた苦い思い出がよみがえる。

今度こそ、ど真ん中。
慎重に刃を入れる。

ちなみに出刃包丁が無いので、今回も歴戦の三徳包丁で挑む。

今回は事前に調べたサイトに、最初は刃先をまな板まで刺すように入れる、とあったのでその通りやってみた。

グイっと力を入れてやったら、本当に入った!
おぉ、本当に割れるんだ!?って。

前回の真鯛の鬼のような強度が嘘のようである。

刃先が刺さったら、あとは左手を添えて一気にガッと刃元を下げる。

やってやったぜ、、、フッ

なんて思っていたら、割ったのを開いてから、エラを外していなかった事に気付いた。

エラもね、こいつも前回手こずったんだわ、、、

でも今回は期せずして先に頭を開いた事で、内部でのエラの付き方がよく分かって勉強になった。

いつもきまぐれクック金子さんがグリッとやってるやつも何となく分かった。

刃で切るというより、ブチッとねじ切る感じなのか、一歩理解が深まった気がする。

で、頭の半分はグリルで塩焼きにしてみた。

可食部はそんなになかったけど、ちゃんとおいしゅうございましたよ。

でも頭は、真鯛のほうに軍配が上がるかな。
真鯛はあらが本体疑惑が囁かれるほど、あらが旨い。

もう半分の頭と他のあらはお味噌汁にして、シメにいただきました。

こちらもおいしゅうございましたよ。

圧倒的満足感である

ということで、今回は休日にシマアジをまるまる1匹独り占めして、平らげてみた。

いやぁ~、これは贅沢である。

もう、しばらくシマアジはいいや笑、ってぐらいの圧倒的満足感であった。

かねてからの大ボスだったシマアジパイセンである。

こうなると、次は何にチャレンジしようかと思うが、今のところ次の目標は出てこない。

これからまたロピアで物色して、次の獲物を探すとしよう。

いや、その前に出刃だな。

いい加減、出刃包丁買えよって話だ。

次のお楽しみは、出刃包丁の購入といくとしよう。