↑動画か↓文章、お好きなほうをご覧ください。
永井です。
前回の記事で心のチューリップの話(※)をしたところ、早速それを実践して成果が上がった!というピアノ教室の先生からLINEメッセージをいただきました😊
※心のチューリップの話:人の心にはパチンコのチューリップのような開閉する口があって、それが開いている時は生徒が入りやすく、閉じている時は生徒が入りにくいという永井の説。
詳細⇒ピアノ教室集客「春の大一番」直前の最終チェックポイント
そのLINEメッセージの内容が、とても面白く、そして皆さんにシェアすべき大切な内容だと感じたので、今回はこれを題材にお話をしていきたいと思います。
テーマは「ピアノ教室の満員とする生徒数をどこで線引きするか?」です。
どちらかというと、まだ満員状態を経験したことがない、お若い先生やピアノ教室の経験が浅い先生向けの予習的なお話になるかと思います。
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心のチューリップを開いた直後から集客の潮目が変わった兵庫県のM先生
まずは早速、そのLINEメッセージをご紹介しましょう。
チューリップ記事を配信したちょうど1週間後の3月8日(金)の夜に頂いたものです。
弊社のホームページをお使いのお客さんで、兵庫県でピアノ教室をされているM先生より↓
要点はざっとこうです↓
2023年秋、満員が射程圏内に
年明けあたりから「これ以上増えなくていい」と思い始めた
するとみるみる生徒が4人減ることに
3/1に永井の配信を見て心のチューリップを開いたら、数時間後に体験申し込みが入った
1週間後に体験者は入会、この間に3月末で退会予定だった生徒も継続を表明
↑どう思いますか?
偶然といえば偶然かもわかりません。
よくある話ではありますよね。
でも「たまたまにしては妙にタイミングが合ったな」という気もしませんか?
まぁ「そういう時期じゃん」と言えばそうとも言えますけどね。
なので私が前回、このチューリップ現象を「気がする」止まりにしたのは、ちょうどこれぐらいの曖昧な話だからです。
でも、こうした「おや?」という不思議なタイミングの一致が、あちこちのピアノ教室で起きるのを、私はこれまで何度も見てきました。
もちろん私自身も何度も経験しています。
これが本当のところどうなのかは分かりませんが、「こういうことがある」ということも、知っておいて損はないんじゃないでしょうか。
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ピアノ生徒を満員とする目安
それで、ここからが今回のお話の本題ですが、前回の「心のチューリップ」の話の延長として、先ほどのLINEメッセージの中で私が着目したのは↓ここです。
(満員が射程に入った)あたりから私のメンタルがお疲れ気味になり、お正月明けから新年度のレッスン時間編成組み直し作業が大変で「こんなに大変な想いをするなら生徒はこれ以上増えなくていいかな」とまで感じるようになりました。
↑これ、満員を経験したことのある先生なら、たぶん皆さん、どこかでこの心境を通過したと思うんですよね。
生徒が少ないうちは、生徒が多い教室の話を聞いて「いいな、羨ましいな」と思って、どんどん生徒を増やしていきます。
でも増えるにつれて、当然ながらだんだんキツくなってくるわけですね。
つまり
「こんなに大変な想いをするなら生徒はこれ以上増えなくていいかな」
↑こういう思いが出てくるあたりが、「自分のキャパが近づいているサイン」と見ることができるわけです。
自分のキャパが近づいてくると、それを超えないように心のチューリップが閉じてくるというのは、ごく自然なことで、何も悪いことではないと私は思うんですよ。
なぜなら、この「自分のキャパの見切り」はものすごく大事だと、私はいろんな先生を見てきて思うからです。
この自分のキャパを見誤ると、自滅する危険があります。
「生徒を持ちすぎて自滅することがある」
これを、若い先生や経験の浅い先生は、転ばぬ先の杖として知っておくと良いと思いますよ。
まぁ「きつくなったらやめましょう」という単純な話でもないとは思いますけどね。
未体験の状況に慣れていないだけで、やってるうちに意外と回せるようになる先生はよくいます。
レッスンの仕方や準備の仕方を工夫することで、持てる生徒数の枠を広げてきた先生もいます。
特に若い先生の場合は、やってもいないのに自分の限界を決めてしまうのも、なんだか成長の機会から逃げるようで、いかがなものかという気もしますよね。
なので、チャレンジは大事にしつつも「事前に知ってさえいれば防げる大事故」もあると思うので、頭のどこかに置いておくと良いでしょう。
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先輩ピアノ講師さんたちの満員の設定事例あれこれ
ここで、若い先生や経験の浅い先生向けに、先輩の先生方がどんな要因によって満員とする生徒数を定めているか、私が見てきた範囲での事例をざーっとご紹介しますね。
①充実したレッスンができる範囲
まず一番多いのが、生徒が増えてくることでレッスンが流れ作業化するのを懸念するパターンです。
レッスン枠の時間だけでなく、それ以外の準備やフォローも含め、責任を持って充実した指導ができる範囲で生徒数を決める先生が一番多い気がします。
レッスンの質を最重要視するということですね。
具体的な数字として何人か?というのは、それぞれの先生のレッスンに対する考えや理想、スキル、状況等によって、10数人~80人、中には100人以上と、かなり幅があるようです。
②先生の家族のライフステージが変わる時
次に、先生のご家族の状況によって、持てる生徒数が変わってくる、ということもよくあります。
まず、よくあるのはお子さんですね。
ほとんどの先生は、お子さんが就学前のうちは多くても10数人くらいまでが限度のようです。
これが小学校に上がったり、中学生や大学生、社会人になるタイミングで、生徒数を増やそうとするケースがよくあります。
逆に、お子さんが小学生になってもPTAの役員になってしまって、意外と余裕が出ない事もあるようですね。
他にもよくあるのは、先生の親です。
子育てが落ち着いてしばらくすると、今度は親のほうにいろいろなことが起きてきますよね。
定期的にめんどうを見に行かなければいけない
病院に連れて行ったり、面会に行ったりしなければいけない
家で介護をしなければいけない
いろいろなことが起きてくると思います。
その時に「今までは生徒を40人見れたけど、今後はそうはいかない」ということが起きてきます。
指導者としてのキャパに余裕があっても、親のためにある程度時間を空けておかなければいけなくなる、そういうことが人生にはありますよね。
こういう時にも「先生自身が自滅しないための判断」が必要な時が来ます。
こういう時に心に起きてくるチューリップの信号を、無視したり、「べき・ねば」や「今までどうだったか」で無理にねじ伏せたりすると危険な時もあるという事ですね。
子供や親以外にも、旦那さんや親族やペットに何かが起きる時もありましょう。
こんな風に、ご家族のライフステージに応じて、持てるピアノ生徒の人数は増えたり減ったりするものだ、ということです。
③先生自身のライフステージが変わる時
先生の周りだけでなく、先生自身の状況が変わる時も当然ありますよね。
若い先生だったら、結婚、妊娠、出産はまず大きいでしょう。
その後は、男性の私が言うのもアレですが、女性の先生であれば更年期に入ってくるとなかなかキツイらしくて、それ以前と同じようには行かなくなってきたという話も聞きます。
人間ですから、時には病気をしたり、入院をする時だってあるでしょう。
そんなふうに、先生自身の変化によって、持てる生徒数や働き方が変わってくる場合があります。
そうして先生自身も緩やかに年を取っていくと、だんだんと老後を意識するようになっていきます。
よく聞くのは、年を取ってくると小さい子のレッスンがしんどくなってくる、という話ですね。
体力という要因は当然あります。
やっぱり小さい子はエネルギーを使うんでしょうね。
リトミックとピアノを教えてきた先生が、ある程度の年齢になると、リトミックをやめてピアノ1本にしようとしたり、3~4歳児も見てきた先生が、5歳以上からの受け入れにしたり、そういう話も割とよく聞きますよ。
そんなふうに、年齢を重ねるにつれて、受け入れる生徒を絞るケースがあります。
逆に、老後を見据えて、自宅生徒の人数を増やそうとするケースも結構ありますね。
楽器店などでの稼働を定年でやめる時や、それに向けて稼働曜日を徐々に減らして、自宅生徒を増やしていこうとされる先生もいらっしゃいます。
あるいは旦那さんが定年したり、何かあった時に、自分で稼ぎを得られるように自宅生徒を増やしておこうとされる先生もいらっしゃいます。
そして、最後は先生自身の引退を考え始める時が来ます。
私の母(※)なんかは今年72歳で、まだ20数人の生徒がいますが、今はもう新しい生徒は基本的にとっていません。
※母のピアノ教室生徒を2年で7人⇒44人に2年で遠隔で増やした集客方法【2024年最新版】
このまま自然に減っていって、75歳あたりで店じまいできたらいいなと言っています。
ただ、「ピアノレッスンは80歳くらいまではできる」なんて話も聞きますし、実際何歳までレッスンができるかということは、その時になってみないと分からないところもありますよね。
「できれば長く続けたいけど、実際はどうなるかわからない」
ということで、引退を視野に生徒の人数や種類を調整はしつつ、続けようとした時に困らないよう、ホームページなどの集客システムは整えておくという先生もいらっしゃいます。
私の母についても、「続けるかやめるか」よりは、できる範囲で細々とでも続けてもらいたいと、息子としては思っています(生きがいやボケ防止のためにも)。
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「先生ごとの、時々の状況に適した生徒数」が正解
ピアノ教室も職業としてやる以上、経済的足場としての生徒数は重要でしょう。
しかし何事もバランスは大事ですよね。
「過ぎたるはなお及ばざるが如し」で、やはり何事もやりすぎはよくないと思います。
そして自分や家族の人生は常に変化していきます。
だからピアノ生徒の人数1つとっても、それぞれの先生ごとに、その時々の状況に応じて変化していくのが自然なあり方なんじゃないでしょうか。
この意味で、人と比べるのは(参考にはしても)あまり意味がないのではないかと、私は思います。
だから
「ピアノ教室の平均的な生徒数は何人なんだろう?」とか
「みんなは何人くらい生徒を持ってるんだろう?」とか
そういうのを考えるのも、あまり意味がないと思いますよ。
「平均的なピアノ教室」なんてありはしないんですから。
「みんな」なんて人はいないんですから。
私もこの仕事をしていると、結構いろんな人の生老病死にまつわる人生模様を見ることになります。
私は前回のお話でも「心のチューリップが閉じる時があるのは決して悪いことではない」と言いました。
自分も家族も人間ですから、本当に「人生いろいろ」です。
イケイケばかりが人生ではないでしょうから、ピアノ生徒数のコントロールも、ある程度先を見据えつつ、その時々で柔軟にやっていきたいものだと私は思います。
以上、今回はお若い先生や、経験の浅いピアノ教室の先生向けに、生徒数という観点から、わりと長いスパンでのピアノ教室のあり方のお話をしてみました。
今後の舵取りのご参考になれば幸いです。
おしまい😊
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