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永井です。

今回はピアノ教室のレッスン料(月謝)の決め方のお話をしてみます。

月謝の値段をどう設定すれば良いのか分からない
↑こういう先生のご相談ってけっこう多いんですよね。

正解がある話ではないので、あくまで私の考え、考察を述べる形になります。

※最近の物価高によるレッスン料の「値上げ」についてはこちら↓
ピアノ教室レッスン料/月謝の「値上げ」のやり方

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①ピアノ教室のレッスン料(月謝)の決め方

ということで、ピアノレッスン料(月謝)の値段をどう決めるかですね。

これは結論を言ってしまえば

「好きに決めていい」

のですが、これを言っては身も蓋もないので、少し解説したいと思います。

《 値決めの前提 》

月謝設定の話をする時に、必ず話題に上がる言葉があります。

「相場」です。

皆さんこの相場という言葉が本当に大好きらしく、十中八九、この相場なるものを起点にレッスン料について考えるようですね。

もちろんこれを頭に置いておくのは良いのですが、私としては正直、相場を中心に考えるのはいかがなものかと思っています。

そんなに他律、他者依存で決めて良いのか?ということですね。

そもそもの話をしますと、前述の通り、物やサービスの販売価格というのは、売り手が自由に決めて良いものです。

その売値に対して、買うか買わないかという、消費者の判断や評価が働きます

ピアノ教室だって例外ではありません。

そして商品の「価格」というのは、商品の「価値」とイコールです。

ピアノ教室における「価値」とは、そこに通う生徒さんやご家族が、どんな「嬉しい」を手にできるか、ということです。

その教室に通うことで、どんな「嬉しい」を手にすることができるか。

この「手にできる嬉しい」に対して、お客さんは「この値段なら買っても良い」「この値段なら買わない」という判断をします
これが基本です。

話を「相場」に戻しますが、相場を基準に自分の教室のレッスン料を決めることは、よその教室の価値に依存して、自分の教室の価値(=あなたの価値)を決めることを意味するわけです。

ここでぜひ一度考えてみてください。

あなたの教室でやっていることは、そんなによその教室と同じですか?

あなたという先生は、そんなによその先生と同じですか?

あなたの教室に通う生徒さんや保護者さんは、そんなによその生徒さんと同じ気持ちでいますか?

同じはずがないんですよ。

と言うか同じになんて、なりようがありません

それは、どちらが優れているかという「上下の違い」だけでなく、種類や性質、キャラクターと言った「横軸の違い」「バラエティの違い」もあるはずです。

なのに、「よそがこうだから、うちもこう」と、よその教室を基準に自分の教室の価値を決めるのは、「そもそもの考え方として違う」と私は思うんですよね。

結果的に相場と同じになることはあっても、本質的な話として、あなたの価値をよその教室で決めてしまっていいんですか?っていうことです。

これをまず、そもそもの値決めの前提として、念頭に置いておくことが大切かと私は思います。

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《 値決めの方法 》

それでは実際どうやって、「自分の教室の価値」、もっとストレートに言えば「自分の値段」を決めるかということですよね。

これには正解はありません。

その時々の教室の状況や、先生の状況、社会状況、生徒さんの評価や満足度等によって、変化して良いものでもあると思います。

ですがもし何か、値決めの方針になるものを挙げるとするならば、それは

自分が納得できる値段であること

なんじゃないでしょうか。

「自分で決める自分の値段」というのは、いわば自己評価です。

自信を表すものでもありましょう。

「自分としては、これだけのものを提供する自信がある」

「これだけ生徒さんや保護者さんに喜んでいただける自信がある」

「これだけの価値を提供できるなら、これだけの対価を頂いてしかるべきだ」

こうした思いが、ご自分の中に多少なりともあるのであれば、まずはそれに従って良いと私は思いますよ。

自分が納得できる値段であること

と言いましたが、別の言い方をするなら

自分がやる気の出る値段であること

と言っても良いでしょう。

裏を返すと

やる気が萎えるほど安売りをすることはない

ということでもあります。

もしもあなたが、ご自分のレッスン料に対して

「これだけやってこの報酬かぁ、、、」

という、何ともやるせない思いがあるのであれば、それはご自分が納得できていないということです。

そういう場合は

「この値段ならやってもいい」

「この値段なら頑張れる!」

という額に設定して良いと、私は思いますよ。

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売れない時にやってはいけないレッスン料の決め方

「そうは言ってもさぁ、好きに設定するのも怖いじゃん」

「本当にこれで行っちゃって大丈夫かな?」

そう心配になる先生もいらっしゃるかもしれません。

「売れなかったらどうしよう」

ですね。

あるいは現在の値段ですでに生徒が集まらずにいる、減っている、そういうピアノ教室さんもあるかもしれません。

こういう、生徒が来ない時、売れない時に、よくやってしまいがちな判断が「値下げ」です。

「安くすれば売れるのではないか」

という安易な期待ですね。

この誘惑にかられる時は、ぜひ一度しっかりと踏みとどまって、よく考えてみてください。

もし、「安くすれば売れるのではないか」と考えるのであれば、逆にこう自問自答してみてください。

「売れない理由」は「高いから」なのだろうか?

どうでしょうか。

売れない理由、売れない要因は、はたして値段だけなんですか?

あなたは本当に、そんな高額なレッスン料を設定していますか?

おそらく、他にも何か引っかかることがあるはずです。

先ほど、人様、世間様は、あなたが提供する価値(=子供や保護者の「嬉しい」)を見て、買うか買わないかを判断すると言いました。

これは裏を返すと、「価値の分からないものは買いようがない」ということなんです。

あなたの教室の地域の人々は、あなたの教室の価値、つまり、あなたの教室にお子さんを預けたら、どんな「嬉しい!」「やったー!」がお子さんや保護者さんに待っているのか、それを知っていますか?

もし知らないのであれば、あなたの教室が売れないのは当たり前です。

人様は、よく分からないものにお金を出したりなんかしませんからね。
高い安い以前の話なんですよ。

もしあなたの地域の人たちが、あなたの教室の価値、「買う理由」と言っても良いですけれども、それを知らないのであれば、あなたがまずすべきことは、それをしっかりと伝えることです。

「伝える努力」をし続けることが必要です。

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レッスン料が相場より高い場合、低い場合

もしも、あなたのレッスン料が「相場よりも高い」と思う場合は、なぜその値段なのかを、ホームページなどでしっかりと説明すると良いでしょう。

「これだけのものを提供してくれるなら、多少高くてもこのピアノ教室に通いたい」

そう判断してもらえることは、世の中いくらでもありますからね。

逆に、あなたのレッスン料が「相場よりも低い」場合だって、あるかもしれません。

あなたがその値段に納得できていて、あえてその値段に設定しているのであれば、その理由もまたしっかり伝えると良いでしょう。

人は安い商品を見た時に「何かあるから安いのだろう」と勘ぐるものです。

訳あり商品というやつですね。

「普通はちょっとでも高く売りたいのが当たり前なのに、これだけ安いということは、そうせざるを得ない理由が何かあるに違いない

そう見られることを、頭に置いておいた方が良いでしょう。

何かポリシーがあるのか、事情があってのことか分かりませんが、それをきちんとオープンにすることで、安さへの疑念を払拭して、納得して選んでもらう事をめざすと良いでしょう。

価格の透明性というか、「なぜその値段なのか」をきちんと説明することも、時には大切かと思います。

《「安売り戦略」について、永井の考え 》

この価格帯の設定も各教室ごとの戦略なので、そこが面白いところではあるのですが、永井個人としては、安売り戦略はあまりおすすめしていません

なぜなら、「安さに飛びつく人」というのは、「安いことを選んだ人」であって、「あなたを選んだ人」ではないからです。

ピアノ教室の生徒さんや保護者さんというのは、当然ながら入会した後もずっと関係が続いていきますよね。

ただ「安かったから来ました」という人よりは、「○○先生にぜひお願いしたくて来ました!」という生徒さんや保護者さんで固めていったほうが、先生側の幸福度も、生徒側の幸福度も、圧倒的に高い、というのが私の考えだからです。

だから「あなたという先生を選んでもらえる努力を日々すべきである」ということです。

私は基本的にそういう考えでやっています。

次回はレッスン料の「値上げ」についてのお話

ということで今回は、ピアノ教室のレッスン料(月謝)の設定方法(値決め)について、私の基本的な考えをお話ししてみました。

まだまだ話したいことは色々あるのですが、きりがないので今回はこのくらいにしておきましょう。

次回はレッスン料の「値上げ」についてのお話をしていきます。

この1~2年の物価高で、特にご相談の多い話題なので、どう考えれば良いのか知りたいという方も多いのではないかと思います。

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