永井です。
ピアノ教室をやっていると、発表会の参加に消極的な生徒さんや保護者さんっていませんか?
先生としては参加して欲しいんだけど、こういう子たちに重い腰を上げてもらうのがなかなか大変で、どうしたものかというご相談を、私もたまにいただきます。
そこで今回は、私がこれまで日本中のピアノ教室さんを見てきて感じている、ピアノ発表会やピアノ教室そのものへの、生徒さんのモチベーションを上げるための一案を、ご紹介したいと思います。
ホームページとか、集客の話では全然ないんですけど、まぁいいですよね笑
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この春に、やる気のない生徒が3人やめてしまった板橋のS先生
私の長いお客さんの一人に、板橋のピアノ教室のS先生という方がいらっしゃいます。
2018年12月にHPが完成して、生徒さん7人から集客を始め、翌2019年の夏には14人に倍増、お子さんがまだ小さかったため、そこで一旦打ち止め(満員)にされました。
その後お子さんが小学校に上がったこともあり、満員と言いつつもお問い合わせは止まらず、じりじりと増えて、最近は20人くらいの生徒さんを見ていらっしゃる方です↓
・「運営や方向性に悩んでいる方にも良いのではないかと思います」― 板橋区のピアノ教室 S先生の声
・「今年に入って生徒さんが倍になりました!」晴れて募集停止のピアノ教室 S先生
・「満員って書いてるのにグイグイ来るんです ^ ^ ; 」~ 板橋のピアノ教室S先生の2年目春募集が止まらない♪
で、この板橋のS先生と先週、半年ぶりに電話でお話をしたのですが、その時にもやはり生徒さんのモチベーションの話題になったんですね。
この春に教室をやめた子が3人いて、あまりやる気がなかったり、せっかく筋が良いのに野球に気移りしてしまったりと、ピアノそのものへのモチベーションが低くて、発表会にも出ない子たちだったということなんです。
先生の考えは時間とともに変化して当然
このS先生自身も、ホームページを作った当初の頃は、そんなにガツガツやらせようという考えではなく
「のんびり、それぞれのペースで楽しくやりましょう ^ ^ 」
みたいな、ゆるいスタンスだったのですが、その後生徒さんが増え、育ったり育たなかったりしていく中で、欲?が出てきたのか、やっぱりやるからにはしっかり練習して欲しいし、発表会にも出てほしい、という考えに最近は変わってきているんですね。
少し脱線ですけど、ピアノ教室の先生も人間なので、こういう風に考え方や方針が変わっていくのは当然だと私は思っています。
特に私は集客という側面から携わることが多いので、生徒さんが少ない頃から、増えていくにつれて、先生の見方や考え方が変わっていく様子を、これまで何人も見てきました。
こうして、教室としてのステージが変わってくると、考え方が変わったり、方針を変えざるを得なくなったりしてくることがよくあるんです。
これはピアノの指導者としてだけでなく、ピアノ教室の運営者・経営者としての成長と見ることもできるので、私は喜ばしいことだと思っていつも見ています。
なので、いつも私は「ホームページは育てるもの」と言ってはいますが、これは実は、本当は、その背後では先生も育っていて、それがホームページにじわじわと反映されていくというのが、裏側から見た姿としてよくあります。
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生徒さん同士の交流イベントを初開催
話を生徒さんのモチベーションに戻しますね。
今回の板橋のS先生は、実は今年の6月に生徒さん同士の交流イベントを、私のアドバイスで初開催されていました。
ホールのリハーサル室(定員40名ほど)を借りて、みんなで、駄菓子の景品付きのゲームをやったりして、みんなすごく楽しんでくれたようなんです。
サックスを披露した吹奏楽部のお姉さんなんかもいたそうですよ。
でもピアノ教室のイベントなので、一応、任意でピアノをお披露目する時間も設けて
「途中まででもいいから、今レッスンで弾いている曲を、弾きたい人は弾く」
というようなゆるーい感じで募ったところ、なんと参加者14人中、弾いた子が12人、弾かなかった子は2人だけだったそうなんです。
S先生としてはこの企画自体、あまりみんな来ないんじゃないかと思って声をかけたようなんですが、意外と集まったということなんですよね。
他の生徒さんたちの前での演奏も、ホールでやるとか、ちゃんと最後まで仕上がってなきゃいけないとか、そうしたハードルをなしにしたら、意外とやってくれたみたいですよ。
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ピアノ生徒のモチベーションが上がる時
で、ここからが本題です。
呼びかけとしてはゆるい感じだったお披露目タイムですが、べつに全員がゆるゆるだったわけでもないんですよ。
というのは、少し後の7月頭が応募締め切りの、ピティナの動画提出型のコンペティション「課題曲チャレンジ」に取り組んでいた子が何人かいたらしくて、ちょうどこれから提出用の動画を録画しようという仕上げの時期だったので、この課題曲を弾いたそうなんです。
そうしたら、それを見ていた他の子が何人か「私もあの曲やりたい!」って言い出したそうなんですよ。
さらには、そのピティナのコンペ参加は、全員に声をかけていたわけではなくて
「このご家庭は共働きで忙しそうだから、負担をかけさせてはいけない」
なんて遠慮して、あえて声をかけなかった保護者さんから
「うちの子にもやらせたい」
という声が上がったそうなんです。
これって、結構な成果じゃないですか?
「すごいじゃないですか、大成功だったじゃないですか」
って私はその時電話口でお話をしたんですけども、当のS先生は
「あぁ、そう言われるとそうかもしれませんね」
という感じでピンと来てなかったのですが、これは明らかに、生徒さんや保護者さんのモチベーションが上がる機会になった、ということだと思うんです。
「他の子や、お兄さんお姉さんの演奏に触発された」
そういうことが起きたわけですよね。
あえてハードルを下げて「仕掛ける」
このエピソードには他のピアノ教室運営をされている先生方も、参考になる点がとても多いんじゃないでしょうか。
「発表会」という場だったら、もしかしたらこうはならなかったかもしれません。
ラフな雰囲気で、みんなでゲームをやったり、お菓子を取り合ったり、わちゃわちゃと生徒さん同士が近くて、心が開いた状態だったんだと思います。
しかもステージじゃない、フラットな床に置かれたピアノの周りをみんなで囲って、すぐ近くで聞いた、他の子の演奏だったはずです。
こういう、そもそもの企画からしてハードルを下げて参加を促して、実は生徒さん同士の交流による刺激を狙って「仕掛ける」わけです。
お遊びを装った巧妙な仕掛けと言えるでしょう。
私もこれまでいろんなピアノ教室さんを見てきましたが、ピアノ教室というのは基本的には
「先生と生徒の1対1のつながりだけ」
なわけで、ここのところにモチベーションの減退につながる一因がある気がしてなりません。
人間はそもそも社会的な生き物なので、一人でいるとパワーが落ちてきますが、友達や仲間と一緒にいると元気になる、やる気が出る、そういうことがあるわけですよ。
子供でも大人でも、これは言えることだと思います。
この「作用」を使わない手はないんじゃないでしょうか。
今回このイベントを初めて開催されたS先生は、慣れないイベントで大変だったとは思いますが、やった甲斐は十分にあったと思うんですよね。
やる気がなくて春にやめてしまった子が3人いたことを嘆いてはいましたが、こうした企画を毎年重ねていったら、生徒さんや保護者さんたちの意識は確実に上がっていくのではないでしょうか。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
おしまい ^ ^
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