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永井です。
私は普段はピアノ教室を自宅等でされている先生に向けて、HP 等を使った集客(生徒募集)のお話を中心にしています(永井の経歴詳細はこちら)。
しかし今回は番外編として、将来そんな先生になるかもしれない卵の人たち、つまり今は中学生や高校生で、これからの進路として、音楽高校や音楽大学など音楽の道への進学を検討している方と、その周りの保護者の方や教育関係の方に向けて参考になるお話をしていけたらと思います。
内容としては主に、音大のピアノ科を卒業した後の進路・就職先としてどんな仕事(職業)が選択肢としてあるのか、それらと結婚・出産・育児といったその後の人生との兼ね合いはどうなっていくのか、というようなお話になります。
なので音大卒業直後の就職の話だけでなく、その後のだいぶ長い期間、人生設計に関わる話もしていくので、なるべく中学生や高校生にもわかるよう努めますが、一部には難しい内容もあるかもしれません。
もし中高生の方で今たまたまネットでこの記事を見つけて読んでいる場合は、保護者さんや先生など周りの大人の方に「ネットでこんな記事を見たんだけど」と伝えてみてくださいね(くれぐれも一人で決めず周りの大人に相談してください)。
音楽教室の業界関係者が内側から見てきた音大卒業後のお話です
この記事は私がこれまで音楽教室業界の中で色々と見聞きしてきた、音大のピアノ科を卒業された方々の実際の事例を背景に、参考になるお話を提供するという趣旨のため、内容が音楽教室業界からの視点になっています。あくまで1つの見方、1つの参考情報としてご覧ください。
※この記事の内容は音大のピアノ専攻に進んだ場合に限ります。他の楽器の場合(管弦打楽器など)は事情が全く異なるのでご注意ください(あまり参考になりません)。
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音大に行く人、ピアノの先生になる人が減っている昨今
今回私がこのお話をしようと思ったのにはきっかけがありました。
それは前回の記事(※)でご紹介した、結婚を機に満員だったピアノ教室を閉める決断をしたN 先生との LINE でのやり取りです。
※前回の記事:結婚出産で生徒25人満員の実家ピアノ教室を閉鎖!25歳ピアノ講師N先生の決断
前回の記事ではご紹介しませんでしたが、N 先生とは実はこんなやり取りがあったんです↓
↑ピアノ教室の現場では若い先生の需要があるのに、音大のピアノ科に行ってもピアノの先生になる人が少ないんだそうです。
大学の進路担当の人までそう言っているということなので、全体の傾向としてある程度信憑性もありそうですよね。
そもそも音大卒業後の進路以前に、音大に進学する人が激減しているという現実(※)もあるようです。
※音大進学者の激減問題については次の書籍で詳しく紹介されています↓
『音大崩壊~音楽教育を救うたった2つのアプローチ~』著者 大内孝夫/出版社 ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス
確かに、私が武蔵野音大の学生だった20年前には、ピアノ科なんて何クラスもあった記憶ですが、風の噂によると最近はずいぶん減ってしまったと聞きます。
私は仕事柄、音大を卒業して数年から数十年生きてこられた方の人生の実例を、何百人も見聞きしてきました(そういう人の1人に育てられもしました)。
音大という世界と、音大出身者のその後の人生というのは、一般の方からするとかなり未知の、謎に包まれたものなのかもしれません。
私は自身もこれを経験し、たくさんの事例を見聞きしてきた者の社会的責任として、後から来る人たちのために、私なりに伝えられる情報をネット上に残したいと思い、今回このお話をすることにしました。
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音大卒業後の選択肢
さて、音楽大学のピアノ科を卒業した場合、その後の現実的にありえる職業として、今回はざっくりと次の2種類に分類したいと思います。
①自営業のピアノ講師になる
②「一旦」就職する
※音大生の将来としてよく耳にする「演奏家」という職業については、私は語るにふさわしくないのでこの記事では言及しません。
【音大卒業後の進路①】自営業のピアノ講師になる
1つは、自営業(個人事業主)としてピアノを教える先生という職業があります。
自営業(個人事業主)というのは、会社などで雇用してもらい毎月安定したお給料をいただくサラリーマン的な立場ではなく、自分で個人的に商売をして生活している人のことです(個人の小さな商店や飲食店、フリーランスの人など)
この自営業のピアノ講師というのは、この業界内では大きく2種類に分かれます。
A. 楽器店や大手音楽教室の登録講師
1つは楽器店や大手音楽教室の登録講師です。
「某音楽教室の先生になりました」と言うと何か就職したような、大きな会社の社員になったように聞こえるかもしれませんが、楽器店や大手音楽教室の登録講師は毎月一定額のお給料が安定してもらえる会社員ではなく、生徒の人数によって報酬額が変わる、個人事業主としての契約になります。
講師として配属された楽器店などに集客(生徒募集)をしてもらう形なので、自分の生徒数(=お給料)がどの程度になるかはその会社の集客次第です。
私はこの業界のスガナミ楽器という東京の楽器店で、音楽教室の運営スタッフとホームページ担当という勤務経験を経て、今の仕事(個人ピアノ教室向けの HP 制作と集客コンサル)で独立起業しました。
B. 自宅などで個人的に教えるピアノ講師
もう1つは自宅やスタジオなどで個人的にピアノを教える先生です。
よく街中で個人のお宅でピアノを教えている教室がそうです(私の実家もこれでした)。
今この記事を見ている中高生の方も、こうした先生に小さい頃からピアノを習ってきたという方は多いのではないでしょうか。
この個人宅のピアノ教室の場合は集客(生徒募集)を自分でしないといけないので、自分の生徒数(=お給料)がどの程度になるかは自分次第ということになります。
私はこういう先生方にHP を作って生徒募集のお手伝いをしてきたので、見聞してきた経験量が一番多い職種です(今まで数百人の先生方と対話をしてきました)。
ちなみに楽器店で登録講師をしていて、楽器店のレッスンがない曜日は自宅でピアノを教えているという先生も少なからずいらっしゃいます。
コロナ禍の初期には楽器店や大手の音楽教室が数ヶ月にわたって休止せざるを得なかった中(その間講師は収入が途絶えた)、草の根の個人ピアノ教室は結構したたかにレッスンを続けることができていました(収入を維持できた)。
こういうこともあるので、リスク分散として楽器店と自宅の両方でレッスンをする(収入源を分ける)ピアノ講師さんも中にはいらっしゃいます。
自営業のピアノ講師になるメリットとデメリット
音大を卒業した直後からこうした自営業のピアノ講師になるメリットとしては、やはり若いうちからレッスンや業界の経験を積めるという点かと思います。
また先ほどご紹介した N 先生の LINE にもある通り、町のピアノ教室、音楽教室には「若い先生がいい」という需要も一部にあります(多数派とまでは言いませんが)。
自営業のピアノ講師になるデメリットとしては、生徒数(収入)が一定数になるまである程度の年数がかかるという点です。
ピアノ教室や音楽教室では毎月生徒さんからお月謝をいただけるので(サブスクリプションと言います)、一度ある程度の生徒数になってしまえば、収益の安定性は割と高いビジネスモデルと言えます(中長期的にじわじわ増減する)。
しかしその生徒数というのが、すぐにそうたくさん集まるものでもなく、順調に行ったとしても数ヶ月から数年かけてじわじわと増えていくものなので、ある程度生活していける人数に達するまでは、アルバイトでも何でもして、何とか食いつないで行く必要があるでしょう。
サラリーマンではないので、1人の事業主、1人の経営者として生きていく気概が必要です。
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ピアノ教室・音楽教室業界は「食えない」って本当?
ちなみに、先ほどの N 先生の LINE にも「『生活できない』というイメージがつきすぎている」とあるように、私も「個人のピアノ教室は生活できないから職業とは言えない」という一般の方の見解を以前ネットで見たことがあります。
こういう懸念が、音大への進学を諦める方や、諦めさせる周りの方、音大に行っても音楽教室業界に進まない方が増える一因になっているかと思われます。
しかし私からするとこれはとても偏った見方と言えます。
「食えない人がいる」ということは「食えない職種・業界である」ということを意味しません。
私のこれまでの経験上言えるのは、個人ピアノ教室の先生が生徒を集められないのは、大抵の場合、その先生が集客の仕方を知らないからです。
なぜなら、音大では集客の「し」の字もマーケティングの「ま」の字も教わらないからです(実際私は武蔵野音大で学んだ4年間の授業で全く教わりませんでした)。
やり方を知らないだけで、きちんと集客の環境を整えて、そのやり方を教わり実践できれば、生徒が集まりだすということはいくらでもあります。
特に
「スマホが普及する前(わずか10数年前)までは口コミで繁盛していたが、この10年ですっかり生徒が減ってしまった」
というピアノ教室さんのご相談を私はよく伺うのですが、この場合はきちんとウェブ集客をすれば生徒数が回復するということはよくあります。
かつて口コミでそれなりに生徒が集まっていたのであれば、それはきちんとしたレッスンができていた証拠なので、ネットからの集客経路を確立すれば生徒数が復活するということはいくらでもあります▼
【音大卒業後の進路②】「一旦」就職する
音大卒業後の進路の2つ目は、「一旦」就職するという選択です。
・小学校や中学校の音楽の先生になる
・音楽関係の会社や一般企業に就職する
などですね。
「学校の先生とか音楽関係の会社ならまだしも、一般就職するなら音大に行った意味ないじゃん」
と思うかもしれません。
ところがどっこい、必ずしもそうとは言い切れないのが人生の奥深いところだと私は思うんです。
前述の通り私は仕事柄、音大を卒業して数年から数十年生きてこられた方の人生の実例を、何百人も見聞きしてきました。
そうして本当に色々なピアノ講師さんたちの人生模様を見てきて思うのは、人生というのは決して一本調子じゃないし、音楽という要素だけでは決して決まらない、ということです。
音大を卒業した直後、社会人生活の初期の仕事が、たとえ音楽と全然関係のない一般企業だったとしても、この選択肢は決して悪くないと私は思っています。
「音楽大学を出たのに一般就職する」ということは、決してそれまでの努力を無駄にすることではないし、負けでもありません。
そうして若いうちは一旦就職しておいて、後で、結婚や出産、育児といった人生のタイミングのどこかで、自宅ピアノ教室を開業するというルートがあるわけです。
人生トータルで「ピアノを教えて生きていく」という目でみた時に、卒業直後に一般就職するのは「一旦潜る」というような感じはするのですが、それは「音楽以外の社会経験を補う」ということを意味します。
ピアノ教室のお客様(保護者)は一般企業にお勤めのビジネスマンです。
お客様が生きている世界というのは、知っているに越したことはありません。
物事はちょっと知っているだけでも、全然知らないよりはずいぶん違うものですからね。
人生、何が武器になるかわからないもので、若い頃に一般企業で経験したことや学んだことが、後になってじわじわ効いてくるということは、いくらでもあるだろうと思いますよ。
また一般就職と言っても、仕事以外の時間で音楽の研鑽を続けることはできるし、個人的に指導法を学んだり、休みの日などに知り合いやその子供などにピアノを教えて、レッスンの経験を積むこともできるでしょう。
音大を卒業した後に就職をすることのメリットは当然、収入の安定ですよね。
それは社会人になっても研鑽を続けていくための軍資金にもなりましょう。
音大を卒業した後、特に一般企業に就職することのデメリットは、強いて言うなら、精神的に試されるということじゃないでしょうか。
長期的、戦略的に自分のキャリアを築いていく忍耐力や、腐らない気概が必要かと思います。
ちなみに音大という学歴は一般企業に就職するには不利と思われがちですが、書籍『「音大卒」は武器になる』の著者であり、武蔵野音大の就職課主任でもあった(当時)大内孝夫先生はその著書の中で、音大卒が就職に不利だということは全然なく、むしろ武器にすらなるという主張をされています↓
『「音大卒」は武器になる』著者 大内孝夫/出版社 ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス
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結婚・出産という大きな分かれ道
さて、音大を卒業してしばらくすると、結婚と出産をするかしないかという大きな分かれ道が訪れます。
最近は結婚をしない方も多いので、その場合はそれまでのキャリアを続けることもできるでしょう。
また、結婚しても子供は作らないという場合で、かつ相手の方の都合で遠方に引っ越す必要がない場合も、それまでの延長でキャリアを形成していきやすいかと思います。
しかし、もし結婚をして出産まで考える場合は、独身の頃とは状況が大きく変わってきます。
長い人生をピアノ教室の先生として生きることを考えた時に、人生の中にこの出産と育児をどう組み込んでいくかということには、簡単に「両立」なんて言葉では片付けられない、一筋縄には行かない大きな課題があります。
この出産後については色々とあって後でまた触れますが、先ほどからご紹介している前回のブログでもリアルな事例をご紹介しているのでよかったらこちらもご覧ください↓
結婚出産で生徒25人満員の実家ピアノ教室を閉鎖!25歳ピアノ講師N先生の決断
卒業直後~出産までの職業選択をどうするか
ここで一旦、ここまでの話をまとめてみましょう。
「音大卒業後の進路」と言っても、人生は長いので「卒業直後の話だけではない」ということは念頭に置いておく必要があるかと思います。
そしてピアノの先生として生きていくに時に、最も大きな最初の分岐点の一つが結婚、そして出産と育児かと思われます(その後も色々ありますが)。
これを見据えた時に、もし将来的に出産を希望する場合、音大卒業後から出産までの職業選択において大きな要素になってくるのが
A.人から雇われる立場だったか(教職、一般就職、楽器店の登録講師など)
B.自営業として個人でやってきたか(自宅やスタジオで個人的に教えるなど)
このどちらだったかという点かと思います。
※楽器店などの音楽教室の登録講師は自営業(個人事業主)ですが、組織に所属し管理されるという意味で、ここではAと見ます。
もしこの前者のA.人から雇われる立場だった場合は、比較的対応がしやすいかと思います。
この場合は組織の力があるので、いわゆる産休とか育休という形で一旦仕事から離れて、しばらくしてから復職するなり、そのまま退職して後で自宅ピアノ教室を開業(独立)するという手(後述)がよくあります。
しかし後者B.自営業として個人でやってきた場合、つまり組織に属さず個人的に生徒をたくさん抱えていた場合は、前回の記事でもご紹介した「産むのはいいけど生徒どうするの問題」が発生し、自分の力で何らかの結論を出さないといけなくなります(後述)。
ここまで眺めた時に、さて、あなたは音大卒業直後の若い時代、社会人としての足腰を鍛える時代に、どんな仕事につき、どんな経験を積んでおくことが、その後のより良い人生につながると考えますか?
先ほど私が「一般就職だって決して悪くも負けでもない」と言ったのはこういうことでもあります。
もちろん若いうちからバリバリと指導の経験を積んでいくのも良いですよね。
これは正解がある話ではないので、ここまでのお話も一つの考える材料にしていただけたらと思います。
卒業直後のことだけでなく、長い人生を見据えての人生設計、人生戦略というのもあって良いと私は思いますよ。
出産後の育児とレッスンのあり方
さて、音大を卒業してから出産までの選択肢も色々とあるわけですが、当然ながら人生にはまだまだその先があります。
前回の記事にも詳しく書きましたが、独身時代から個人的に生徒を持っていたピアノの先生が、出産後にその生徒のレッスンと育児をどうするかについては、大枠としてはそんなにパターンは多くありません。
①誰かにレッスンをしてもらい、自分は子供を見る
②自分がレッスンをし、誰かに子供を見てもらう
③教室まるごと一時休止または閉鎖、自分は子供を見る
↑大体このどれかぐらいしか現実的な選択肢はなくて、あとは子供を保育園や幼稚園に預けるタイミング等で①を②に切り替えたり、③を②に切り替えたりといったバリエーションが出てきます。
生徒さんが少ない場合は、レッスンの時だけ親にちょっと子供(孫)を見ていてもらう、という形で乗り切れることもあるようですが、最近は両親だってまだ仕事をしてる場合も多いでしょうし、生徒が増えれば増えるほどこれも難しくなってくるでしょう。
中には、サザエさんみたいにご両親と2世代で住んでいて、親が子供(孫)をがっつり見てくれるおかげで、出産後もバリバリレッスンを続けている教室さんの話も聞かなくはないですが、昔ならまだしも、今はそんなに恵まれた環境というのはそうそうないかもしれませんね。
いずれにしても魔法のような解決策はそうそうなく、自分の中で何らかの価値軸を決めて、決断をする必要に迫られることになります。
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子供の出産~育児~独立後のピアノ教室のよくあるパターン
ここで、私がこれまでホームページを作成して集客(生徒募集)のお手伝いをしてきた自宅ピアノ教室さんでよく見られる、出産後のご家庭の変化に伴う自宅ピアノ教室の「あり方の変化」のお話をしておきます。
今このページを見ている中学生や高校生には、ちょっと先の話すぎるかもしれなくて、どちらかというと保護者の方や周りの教育関係の方への参考情報になるかもしれません。
さて私のお客さんで、まだ小さいお子さんを子育て中のピアノ教室さんで一番多いのは、お子さんが幼稚園に入るあたりまでは子育てに専念するか、ごく少数の生徒さんだけに細々とレッスンをする程度にされるケースです。
そして幼稚園に入る前後あたりで私の方にホームページ作成のご依頼をされ、そこでピアノ教室をやっていることを公にする(=正式に開業)という流れです。
お子さんが小学校に入るまでは、ご家庭との兼ね合いで無理のない範囲で(生徒数人~十数人程度が多い)レッスンをして、お子さんが中学、高校と進んで、手がかからなくなる代わりにお金がかかるようになるにつれて、次第に生徒数を増やしていくわけです。
【実例】お子さんの成長とともにピアノ生徒を増やしてきた世田谷のE先生
一例を挙げますと、世田谷でピアノ教室をされているE先生はお子さんがまだ5歳の年長さんの時点でホームページを公開、それまでは知り合いのお子さんなど7人の生徒さんにレッスンをされていました。
それが半年後(就学済)には14人、1年半後には30人と増えていき↓
・「私の人生において永井さんのサポートをうけたことが、ターニングポイントになりました」― 世田谷区のピアノ教室 E先生の声
・本当はピアノ生徒20人で満員だったのに、保護者さんが都合を付けて下さり30人になった!世田谷のピアノ教室 E先生の声
お子さんが小学4年生になった現在の生徒さんは40人、次は50人を目指しているところです↓
4年生の息子さんが中学受験をされるのかどうかは分かりませんが、これから何かと入り用になってくるかと思いますので、これからも頑張っていただきたいと思って見ています。
家庭の状況に応じて仕事のあり方を柔軟に変えていけるという自宅ピアノ教室の強み
さて、そうこうしてお子さんが成長し、大学を卒業して独立してしばらくすると、今度は親の介護などが発生してきて、そのために一旦生徒数などをセーブすることもよくあります。
この辺りから自身の老後や旦那さんの退職後を視野に、生徒数を増やす・減らすなど、それぞれのライフプランに応じて教室のあり方を変化させていくステージに入っていきます。
こんな風に、ご家庭の状況に応じて柔軟に仕事のあり方を変化させていけるのも、自営業である自宅ピアノ教室の大きな強みの1つと言えるかと思います。
そしていずれは「店じまい」が視野に入ってくる時が来るでしょう(←私の母は今ココ)。
以前にピアノ生徒の人数という観点から、こうした様々なライフステージにいらっしゃる先生方の事例をまとめたことがあるので、参考にしたい方はこちらもご覧ください↓
後悔のない人生、充実した幸せな人生を力強く切り開いてほしい
こんな風に一口にピアノ教室といっても、その時々の人生のステージやご家族の状況によって、結構いろいろと変化していく(できる)というのが実際のあり方なんですね。
なので先ほども言いましたが、中学生や高校生の進路として、これから音大に行くか行かないかということは、その影響は卒業直後だけの短期的な話では全然終わらないということです。
音大に行って学んだことが、たとえ卒業後しばらくは、直接的には、大きくは活かされない時期があったとしても「人生はそこで終わりではない」という大きな視点もあって良いかと私は思います。
人生設計をトータルで見た時に、人生で最も吸収できる時代に人生の主軸となるもの(必ずしも経済的な意味だけでなく)を専門的に学んでおくことは、とても大事なのではないでしょうか。
ただ一方で、ピアノ教室の先生として生きていくということは、べつに音大のピアノ科に行った人だけの特権ではないという事実もあります。
中には一般大学に行きつつ、小さい頃からやってきたピアノの研鑽を続け、卒業後も続け、後で自宅ピアノ教室を開業して成功されている方もいらっしゃいます。
「二十歳そこそこ時点の学歴なんぞで、その後の何十年もの人生が決まってたまるか」
なんてガッツあふれる先生も中にはいらっしゃって、それもそれで一理あるかなとは思います。
なんであれ、何が正解かは自分で決めるものです。
しかし自分が何を選択し、人生をどう築き上げていくかということを、10代にして決めるというのは実際はなかなか難しいことだとは思うので、そこは周りの大人の方に人生の見解を補っていただきたいと思い、あえて中高生にはまだ早いかもしれない難しい話もしておきました。
これから将来の進路を決めるご本人に私がアドバイスをするとしたら、「後で後悔することのない選択をして欲しい」ということです。
これは逆に言うと、自分の選択に自信と責任を持って、人生を力強く生きていってほしい、充実した幸福な人生を切り開いていってほしいということです。
最後に注意点2つ
最後に老婆心ながら、もし身近に音大出身者の方や音楽教室業界の方がいて、過去の経験談を聞くことがあった場合に、注意しておきたい予備知識を2つ上げておきます。
【時代の断裂①】バブル期以前の話は差し引いて考えること
かつて日本には1980年代の後半に、バブル期と呼ばれる伝説の時代がありました。
世の中にお金がたくさんあって
子供もたくさんいて
女性は結婚したら仕事を辞めて専業主婦になり
若い世代は両親と一緒に暮らす
そんな風に80年代以前の日本は、現在とは全く異なる社会状況でした。
なのでもし経験豊富な方の若かりし頃の体験談を伺う時は、それがここ20~30年以内の話なのか、それよりも前(80年代)の話なのかを区別して聞くようにしましょう。
もしバブル期の体験談なのであれば、現在にそのままは当てはまらないこともあるので、時代の違いを差し引いた上で参考にさせていただくと良いかと思います。
【時代の断裂②】スマホの普及によりピアノ教室業界は地殻変動が起きた
先ほど「ピアノ教室は生活できないと思われている」の下りでも少しお話ししましたが、ピアノ教室、音楽教室業界ではスマホの普及前後で生徒募集のあり方が根底から大きく変わりました。
スマホの普及以前は、町のピアノ教室は口コミで生徒が集まることが多かったですが(探す側の情報収集手段もそれぐらいしかなかった)、スマホの普及により町のピアノ教室もネットで探されるようになりました。
この時代の変化に対応できた教室は生徒数を伸ばしましたが、対応できず(せず)じりじりと苦しい状況に追い込まれたピアノ教室さんも日本中にたくさんあります。
なので生徒が集まらないピアノ教室の話を聞くことはあると思うのですが、それはそこの先生個人の要因であるはずの話が、ピアノ教室という職業そのものや業界全体の話にまで引き伸ばされて誤解されている、そういう面が少なからずあるのではないかという気が私はしています。
そうした時代背景があることも、判断の基本情報として念頭に置いておくと良いでしょう。
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